製品ライフサイクル


4. 製造、品質管理、情報提供及び製品の流通


1)承認を得た新薬の製造と品質管理のプロセス

  • 薬の製造から出荷、さらに出荷後の輸送に至るまでのそれぞれの過程には、医薬品医療機器等法で規定され、規制当局の承認が必要なものから自社の独自基準まで、厳格な基準が定められている。
  • 製造所の承認と査察:新薬の承認には、医薬品医療機器等法上でGMP適合性調査が定められている。製造所が有効性、安全性、均質性を保証するために設計された製品を恒常的に製造するための構造設備・管理体制を備えていることを確認する調査である。
    GMP調査では承認時に加えて、定期的な調査と不定期な調査も実施される。
  • 原料の計量からはじまる製造過程:(中外製薬株式会社「原薬製造・固形剤のくすり工場」より)
  • 出荷判定:製品の中には、ワクチンや血液製剤のようにロット毎の国家検定を必要とするものもあり、製造後から出荷までに時間を要する。

2)製品の流通及び情報提供

  • 新製品を病院や薬局へ提供するために、製薬企業はマーケティング担当者らが供給と販売に関する計画を立案し、社内外の関係部署と連携して製品を流通させる。製薬企業はMR(Medical Representative)を通じて、製品の適正使用を推進するために、情報の提供、収集、伝達、更に自社医薬品の普及を行う1)
  • 情報提供は、説明会・講演会などを通じて行い、自社製品の情報にとどまらず、製品に関連した疾患領域の医学・薬学関連情報の提供を行っている。説明会では、科学的な根拠に基づく治療が促進されるよう、製薬企業は医学系の学会、医療機関、医師に協力して実施している。また、医師の生涯教育を支援する目的とした情報提供も行っている2) 3)
  • 製品の流通や医療関係者への情報提供だけにとどまらず、製薬企業は病気や治療に関する情報提供も行っている。

  • 病気や治療に関する情報提供サイトの例