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新型コロナウィルス感染症(COVID-19)への欧州製薬業界の取り組み


国内外で新型コロナウイルス感染症に罹患され、亡くなられた方々に対し衷心よりお悔やみ申し上げますとともに、罹患され闘病中の皆様にも謹んでお見舞い申し上げます。
また、感染症対策や治療の最前線で尽力されているすべての医療関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

EFPIAの加盟各社は、罹患された方々に必要な医薬品が届くように、ワクチン、診断薬、治療法の開発に鋭意努力を昼夜続けています。
世界中で100以上のワクチン候補が開発されており、600以上の臨床試験が進行中です。


2021年10月26日現在

アストラゼネカ株式会社
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治療薬開発
アストラゼネカはワクチンプログラムを補完する目的で、2つの長時間作用型抗体を組み合わせる抗体医薬品を開発しており、現在、新型コロナウイルス感染症の予防・治療効果について評価中です。第III相試験の結果に基づき、米国FDAに緊急使用許可を申請しました。抗体医薬品は、ワクチンで十分な効果が得られない、ワクチン接種が出来ない、仕事や生活環境によってSARS-CoV-2の感染リスクが高い、すでにウイルスに感染している人など、現在の様々なアンメットニーズに対して、新型コロナウイルス感染症の予防効果をもたらす可能性があります。

ワクチン開発
アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンは、新型コロナウイルス感染症に予防効果を示しています。現在までに、15億回分以上のワクチンが170カ国以上に供給されており、その約3分の2が低中所得国に提供されています。アストラゼネカは、新型コロナウイルス感染症パンデミック中は利益を得ることなしに、コロナワクチンを提供することを約束しています。6大陸91ヵ国以上で、緊急使用許可の承認を取得しています。日本では、1億2000万回分のワクチン供給について日本政府と契約を締結しました。2021年5月に国内で承認後、40歳以上を対象に予防接種法の臨時接種の対象となっています。

関連リンク
COVID-19 Vaccine AstraZeneca confirms 100% protection against severe disease, hospitalisation and death in the primary analysis of Phase III trials

AZD7442 PROVENT Phase III prophylaxis trial met primary endpoint in preventing COVID-19

AZD7442 request for Emergency Use Authorization for COVID-19 prophylaxis filed in US

バイエル薬品株式会社
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治療薬開発
バイエルは、パンデミックの初期において、COVID-19に対する治療効果の可能性が示唆された、バイエルの既存薬を世界保健機関や各国の政府、保健当局、研究機関などに提供し、臨床試験を支援しました。また、ビル&メリンダ・ゲイツ財団が創設した新型コロナウイルス感染症の治療法開発のためのイニシアチブ「COVID-19 Therapeutics Accelerator Initiative」への参画や、欧州の官民パートナーシップ「European Innovative Medicines Initiative (IMI)」による新型コロナウイルス感染症の治療薬と診断薬の開発の呼びかけに協力しています。さらに、ハーバード・データサイエンス・イニシアチブ「Harvard Data Science Initiative (HDSI)」に協力し、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う、科学者および科学的知見に対する社会の反応などに関わる研究を支援しています。この研究は、意思決定における科学の役割の向上に向けた取り組みの指針となり得ます。

関連リンク
Update on COVID-19

中外製薬株式会社
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治療薬開発
CSLベーリング株式会社
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治療薬開発
  • 業界数社が参加する前例のないアライアンスを主導し、COVID-19を治療するための高度免疫グロブリン製剤(CoVIg-19)の開発に取り組んでいます。 本提携を通じ、COVID-19による重篤な合併症を有する患者さんの治療薬となり得るノーブランドの抗SARS-CoV-2ポリクローナル高度免疫グロブリン製剤の臨床開発に直ちに着手します。業界全体でリソースを集めることに加え、提携企業が一体となり、政府やアカデミアとも臨床試験のような重要な取り組みに対してできる限り協力していきます。本提携は、各企業が既に保有している先進的な専門性と、実施中の取り組みを活用するものです。これと並行して、本アライアンスは、米国国立衛生研究所(NIH)の国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)と協力し、成人のCOVID-19患者における高度免疫グロブリン療法の安全性、忍容性および有効性を確認します。このグローバル試験は、現時点では今夏の開始を見込んでおり、高度免疫グロブリン療法承認の実現に向けた基盤となります。

  • CSLベーリングを含むCoVIg-19プラズマアライアンスは、世界をリードする医療および研究機関、血液センター、ライフサイエンス企業、テクノロジー企業、慈善団体、COVID回復者からなるグループとともに、COVID-19に対する新しい治療法の迅速な開発をサポートするために、「The Fight Is In Us」キャンペーンを展開しています。このキャンペーンを通じ、COVID-19から回復した米国の何万人もの人々に血漿の提供を呼び掛けています。血漿には、この病気に打ち勝つために重要な役割を果たす抗体が含まれています。

  • CSLベーリング オーストラリアでは、同国内向けに、特に呼吸器系に関する重篤な合併症をもつ患者さんの治療のために、血漿由来の抗SARS-CoV-2製品を開発しています。この製品候補はCOVID-19免疫グロブリンと呼ばれ、ビクトリア州ブロードメドウズの最新施設において開発がすすめられています。

  • SAB Biotherapeutics との提携により新規の抗体製造方法を活用し、COVID-19に対する新たな免疫療法を開発・提供することを目指しています。製造の過程においてCOVID-19回復者からの血漿の提供を必要としない治療法となります。北米において今年の夏頃に治験の開始が見込まれています。

  • COVID-19の呼吸器系への深刻な影響の一つであるびまん性肺胞障害に有効な製剤の候補を、既存品あるいは開発品の中から特定しています。早期の研究段階ですが、COVID-19の重症化に対する治療法の開発への貢献が期待されます。

ワクチン開発
  • CSLの季節性インフルエンザワクチン事業会社であるSeqirus社は、オーストラリアのクイーンズランド大学によるMolecular clamp技術を用いたCOVID-19ワクチン開発プログラムに、当社が持つ専門性および独自のアジュバント技術であるMF59®を提供することで支援しています。これにより、CEPIの支援を受けた最新技術を用いたワクチン候補開発プログラムの促進が期待されます。

  • CSLは、COVID-19ワクチン候補の開発、製造、および流通を加速するために、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)およびクイーンズランド大学(UQ)と提携しています。CEPIとCSLは、UQのMolecular clamp技術を用いたワクチンの開発と製造に資金提供しています。これにより、UQが主導するフェーズ1における安全性試験、また、それに続く後期段階の臨床試験、および製品が承認された場合に産業規模の製造をサポートします。大規模生産の初期段階は、オーストラリアのメルボルンにあるCSLの製造施設で行われる予定です。CSLは、2021年末に向けて、生産規模を最大1億ドーズ分に拡大できると予測しています。フェーズ1臨床試験は7月に始まりました。これが成功した場合、CSLはフェーズ2および3の臨床試験を管理します。

  • Seqirus社の独自のアジュバント技術であるMF59®をCOVID-19のワクチン開発を模索する複数の機関に提供しています。MF59®は、COVID-19に対しハイリスクとされる65歳以上の方向けの当社の季節性インフルエンザワクチンに使用されています。アジュバントはワクチンの効力を高め、必要とされる抗原量が少なくてすむため、より多くのワクチン数の迅速な製造に貢献することが期待されます。

関連リンク
Global Plasma Leaders Collaborate to Accelerate Development of Potential COVID-19 Hyperimmune Therapy

CoVIg-19 Plasma Alliance Builds Strong Momentum Through Expanded Membership and Clinical Trial Collaboration

CSL Behring and SAB Biotherapeutics Join Forces to Deliver New Potential COVID-19 Therapeutic

CSL Media Statement on Coronavirus

THE FIGHT IS IN US

CSL’s Global Role in Battling COVID-19

グラクソ・スミスクライン株式会社
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治療薬開発
GSKではCOVID-19患者に対する治療または治療の選択肢の可能性を探る努力を続けています。

GSKはVir Biotechnologyと共同で、COVID-19の治療または予防の選択肢として、新たなモノクローナル抗体の開発を行っています。
モノクローナル抗体については、2021年5月21日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)より、肯定的な科学的見解が示されました。EU加盟各国では、販売承認の意思決定に先立ち、このEMAによる推奨を参照の上、本モノクローナル抗体の使用の可否について検討を行います。またこのモノクローナル抗体は2021年5月26日に、高リスク成人・小児患者での軽症から中等症のCOVID-19治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)より緊急使用許可を取得しました。

Vir Biotechnology社との協働による2つ目の抗体医薬についても、COVID-19治療薬としての可能性を探求しています。軽症から中等症のCOVID-19患者を対象とした第1/2相試験は、英国国民保険サービス(National Health Service)が支援するCOVID-19治療薬候補のAGILEプラットフォーム試験の一環として、英国の複数の施設で進行中です。

また、GSKでは市販および開発中の医薬品の中で、パンデミックに対応するため従来の適応以外に利用可能なものがないか再評価しています。

この探索の結果、新薬候補のひとつであるオチリマブ(モノクローナル抗体)が、COVID-19関連の重症肺疾患を有する成人入院患者に有効であるかどうかを検証する第2相臨床試験を2020年5月に開始しました。本試験の結果は2021年2月に発表され、70~79歳の患者さんに対するオチリマブの臨床上の有益性が示唆されました。

GSKは共同研究「COVID-19治療法アクセラレーター」のメンバーでもあります。当アクセラレーターは製薬企業と学術機関の専門家による、COVID-19の治療に最も効果的な分子を見つけ出すための共同研究プログラムで、GSKは自社ライブラリにある化合物をスクリーニング用に提供しています。

ワクチン開発
GSKは、当社の先駆的なワクチンアジュバント技術へのアクセスを提供し、有望なCOVID-19ワクチン開発に取り組んでいる世界中の企業や研究グループと協働しています。アジュバントの活用は、1回の接種における抗原量が抑えられ、ワクチンの生産数量を増やすことができるため、パンデミックの状況下においては特に重要とされます。GSKは複数のワクチンが必要となると考えており、GSKのアジュバント技術を活用した多くのワクチンが開発されることを期待しています。

サノフィとの提携では、共同開発するワクチン候補の新たな第2相臨床試験を2021年2月に開始し、2021年5月に結果を発表しました。現在は第3相臨床試験を実施しています。他にも、メディカゴ社によるワクチン候補の第3相臨床試験は2021年3月に開始し、2021年5月には第2相臨床試験から良好な中間解析結果が得られたと発表しています。

またSK Bioscience社と提携し、第I/II相試験の中間解析で良好な結果を得られたことから、2021年8月に第III相試験を開始したことを発表しました。同社は、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)とビル&メリンダ・ゲイツ財団の資金援助を受け、COVAXファシリティを通じて世界に供給できるよう、差別化でき、かつ手頃な価格で入手可能なCOVID-19ワクチンを開発しています。

また2021年2月、GSKはCureVac社とのCOVID-19に対する次世代メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの共同開発を発表しました。このワクチンは複数の変異株に対処できる可能性があります。2021年8月には、前臨床試験で良好な結果が得られたことを発表し、さらなる臨床試験の実施を決定しました。

GSKは協働を通したアジュバント添加COVID-19ワクチン候補の開発をサポートするため、グローバルネットワーク全体でパンデミック用アジュバントの製造規模を拡大させています。また、2020年8月にGSK英国本社のグループ会社で、ワクチン事業に特化したグラクソ・スミスクライン バイオロジカルズとKMバイオロジクス社は、現在GSKが複数の協働先と開発を進めている、COVID-19に対するアジュバント添加ワクチン候補の日本国内での供給を支援すべく、GSKが保有するアジュバント製造におけるKMバイオロジクス社への技術移転契約の拡大およびアジュバントの製造に関する協議を開始することに合意しました。

GSKは、かつてないほどのCOVID-19の規模と、世界の人口・保健システムへの甚大な影響を認識しており、当社のビジネスモデルを持続できるバランスの取れた価格設定のアプローチをとっています。このアプローチの一環として、GSKは以下の3つに取り組みます。
  • GSKのアジュバント、またはアジュバント添加ワクチンの一部を責任ある価格で政府や機関に提供します。
  • 世界の最貧国を含む全ての国々がGSKのアジュバントを利用できるよう、現地でのニーズを判断できる世界的な機関にアジュバント、またはアジュバント添加ワクチンの一部を無償で寄付します。
  • GSKは、今回のパンデミックの状況下において、COVID-19ワクチンに関する協働から利益を得ることはしません。短期的利益が得られた場合も、コロナウイルス関連の研究および長期的なパンデミック対策支援に投資します。

  • 関連リンク
    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への取り組み

    ゲルベ・ジャパン株式会社
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    支援活動
    ゲルべ本社は国際生殖医学会International Federation of fertility societies(IFFFS)に対する研究助成を行っています。当学会はCOVID-19と生殖医学に関する臨床試験を行っており、2020年には妊婦や妊娠を希望する女性に対するCOVID-19ワクチン接種に対する共同声明を発表しています。

    関連リンク
    IFFS International Resource Center on COVID-19 and Reproductive Health

    イプセンファーマ駐在員事務所
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    ワクチン開発
    Ipsen Globalは、現在進行中であるCOVID-19関連の21の研究プロジェクトを支援するために、Institut Pasteurに200万ユーロを寄付しました

    関連リンク
    Ipsen donates €2 million to the Institut Pasteur to support research on COVID-19

    ヤンセンファーマ株式会社
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    治療薬開発
    ワクチン開発の取り組みに加えて、米国ジョンソン・エンド・ジョンソンと米国生物医学先端研究開発局(Biomedical Advanced Research and Development Authority:BARDA)は提携拡大も行い、他の製薬会社の化合物を含む化合物ライブラリのスクリーニングにおいて、ヤンセンにおける進行中の取り組みを加速させました。これは、新型コロナウイルスに対する有望な治療薬を同定することを目的としています。
    ジョンソン・エンド・ジョンソンとBARDAは共に、この提携の一環として資金提供を行っています。これらの抗ウイルススクリーニングの取り組みは、ベルギーのレガ医学研究所(ルーヴェン・カトリック大学/ルーベン大学)と共同で実施しています。

    ワクチン開発
    米国ジョンソン・エンド・ジョンソンの医療部門であるヤンセン ファーマシューティカル カンパニーズは、新型コロナウイルスSARS-CoV-2のワクチン候補であるAd26.COV2.Sの前臨床試験を米国で行い、一回の接種で「中和抗体」を含む強力な免疫反応をサルで誘発し、接種後の感染を防御することに成功したことを明らかにしました。
    この良好なデータに基づき、Ad26.COV2.Sの第1/2a相試験(ヒトでの初めての投与)を米国とベルギーで2020年7月から実施しており、9月から、日本での第1相試験も実施されています。
    オランダ、スペイン、ドイツでの第2a相試験も予定されています。
    また、新型コロナウイルスSARS-CoV-2ワクチン候補の臨床開発を進める一方で、ワクチンの生産能力の拡充に取り組むとともに、世界の多くの人々がこのワクチンにアクセスできるよう、グローバルパートナーとの積極的な協議を進めています。

    関連リンク
    Our COVID-19 Response Efforts

    ルンドベック・ジャパン株式会社
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    治療薬開発
    ルンドベック社の株式70%を保有するルンドベック財団は、新型コロナウイルスのパンデミックを対象とした研究プロジェクトの為に3,000万デンマーク・クローネ(430万米ドル)を助成します。

    メルクバイオファーマ株式会社
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    治療薬開発
    メルク:COVID-19の有望な治療法の研究のグローバルな取り組みの一つとして、また独立した研究に対するメルクの支援策として、フランス国立保健医学研究所(INSERM)のインターフェロンβ 1-aを治験で使用したいというご要望にお応えし、この薬剤を寄付しました。本治験の依頼者はINSERMで、治験の開始はフランス保険当局により3月11日に発表されました。また、メルクは、COVID-19の有望な複数の治療法を研究する、WHO主導の国際共同臨床試験「SOLIDARITY」で使用される290,000単位のインターフェロンβ 1-aをWHO(世界保健機構)へ寄付しています。
    2020年3月26日、ヘルスケアおよびライフサイエンス企業コンソーシアムとビル&メリンダ・ゲイツ財団は、 COVID-19 ワクチンの開発、製造、供給、そしてCOVID-19の診断と治療法を加速するために重要な協力を行うことを発表しました。メルクはこのグループのメンバーであることを誇りに思います。世界の数十億人に影響をおよぼすパンデミックに対して、すべてのパートナーは効果的で拡張性の高いソリューションの特定に必要な、様々なアセット、リソース、専門知識の提供に貢献しています。
    2020年11月に、EFPIAとメルクのビデオ(日本語字幕付き)を日本のウェブサイトに掲載しています。「患者さん、サイエンティスト、医療関係者の皆さまにサービスを提供し続けています。」

    関連リンク
    Merck statement on Rebif (interferon beta-1a) donation to INSERM

    Merck statement on Rebif® (interferon beta-1a) donation to the World Health Organization for the SOLIDARITY trial

    COVID-19と戦うために

    日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
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    治療薬開発
    ベーリンガーインゲルハイムは、COVID-19の治療薬候補の開発を加速することを目的として、欧州連合(EU)の革新的医薬品イニシアチブ(IMI)が主導する治療薬や診断ツールを開発するプロジェクトの申請について、ファストトラック指定を求める呼びかけに加わりました。SARS-CoV-2スパイクタンパク質に対する中和抗体を開発することを目指します。また、COVID-19の治療薬だけでなく、ワクチンや診断薬の開発を加速するため、ゲイツ財団、Wellcome社、およびMastercard社が主導するCOVID-19 Therapeutics Acceleratorイニシアチブにも参加しています。

    既存のパイプラインや市販済みの化合物、またHIVおよびHCV研究活動からの化合物の評価も行っています。加えて、ベーリンガーインゲルハイムは、ウイルスに対する作用を有する新規小分子を特定することを目指し、100万種類を超える化合物の分子ライブラリ全体をコンピュータを用いてスクリーニングしています。このウイルスを標的とする化合物を求めて、分子ライブラリ全体のスクリーニングを行っています。

    新型コロナウイルス感染症および将来のコロナウイルスの脅威に備えた治療薬の開発を加速するため、欧州最大のイニシアチブであるCAREコンソーシアムに参加しています。CAREコンソーシアムの一員として、ベーリンガーインゲルハイムは、ウイルス中和抗体の開発に注力するコンソーシアムのワークストリームをリードします。さらに、従来のHIVおよびHCVポートフォリオから抗ウイルス分子を提供し、分子ライブラリを完全にスクリーニングし、候補低分子化合物を提供します。

    2021年7月、当社は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)と呼ばれる重篤な呼吸障害を有する新型コロナウイルス感染症患者の治療薬候補として、新型コロナウイルス感染症の治療薬研究をアルテプラーゼの開発に集中することを発表しました。この決定は、TRISTARDS試験の62人の患者が参加した第2b相部分が完了したことを受けて、第2/3相TRISTARDS試験の中間解析から得られた良好な安全性および有効性データに基づいています。

    ノバルティス ファーマ株式会社
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    治療薬開発
    ノバルティスは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団やウェルカム・トラスト、マスターカードが出資して立ち上げた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療推進プロジェクト「COVID-19 Therapeutics Accelerator」や革新的医薬品イニシアティブが組織したCOIVD-19対策パートナーシップによる複数の共同研究プロジェクトに参画しています。自社の化合物ライブラリーの中から抗ウイルスin vitro試験に適していると考えられるものを提供することでこれらの活動に貢献しております。また、承認済みの適応以外の効能の有無について検証すべく自社製品の再評価も実施しております。

    ワクチン開発
    2021年1月29日、ノバルティスは自社の生産体制および能力を新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)対応に活かすべく、ファイザー社とビオンテック社のCOVID-19ワクチン生産を支援する初期契約を締結したことを発表しました。この契約に基づき、スイス・シュタインにあるノバルティスの生産設備が活用されます。
    ノバルティスは、生産契約条件に基づきビオンテック社からバルク原料としてmRNAの有効成分を受け取り、無菌状態でバイアルに充填した後に返送し、ビオンテック社が世界中の医療関係者に配布します。
    最終的な契約締結をもって、ノバルティスはシュタインにある最先端の生産設備において2021年第2四半期より生産を開始する予定です。完成品の初出荷は第3四半期を予定しています。
    ノバルティスの生産チームは、mRNAの生産、治療用タンパク質の生産、新型コロナウイルスのワクチンや治療法向けの原料の生産を含めた生産活動の受託に関して多くの企業との協議を進めています。詳細な内容は協議が完了次第お知らせします。
    ファイザー社とビオンテック社のCOVID-19ワクチンは、スイス、条件付き製造販売承認を付与されているEU加盟国、緊急使用許可を得ている英国、米国、カナダ、香港等を含む約50ヵ国の医療当局から使用許可を得ています。

    関連リンク
    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する取り組み

    ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
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    支援活動
    新型コロナウイルスの感染が拡大する中、患者さん、社員ならびにノボ ノルディスクの企業活動に関わるコミュニティに対するノボ ノルディスクのコミットメントは変わりません。ノボ ノルディスクは、糖尿病やその他の深刻な慢性疾病とともに生きる方々に当社製剤の安定供給を継続し、社員の健康と安全を守り、そして新型コロナウイルスと闘うために力を尽くしている医療従事者の皆さまを引き続きサポートいたします。
    ノボ ノルディスクは専門知識、リソース、そして世界的ネットワークを駆使して、研究への取り組みや必要とされている製剤の供給をサポートすることに努めています。当社は当局や新型コロナウイルスの感染拡大に対応している国際団体と緊密に連携し、業務を遂行しています。
    以下が新型コロナウイルス感染症に関して最近行った支援活動です(2021年1月~9月)。
    • 米国
      米国内における新型コロナウイルス感染症の影響拡大を受け、パンデミックによる失業や転職のため健康保険の適用を受けられなくなった患者さん向けに、患者支援プログラムを2021年6月30日まで延長しました。

    • インド
      ノボ ノルディスク財団は、インドに1,000万デンマーククローネ(約160万米ドル)を助成しました。この寄付金は、4つの新たな救急病院の開設、および多数の移動病院設備の設立に使用されます。これらの施設は、計364病床を備え、酸素濃縮器や人工呼吸器などを使用して1週あたり1,300人近くの新型コロナウイルス感染症患者さんの治療を行うことができます。

    • ブラジル
      救急医療用品が不足している現地の病院を支援するため、128万5千ブラジルレアル(約28万5千米ドル)を寄付しました。この寄付金は、医薬品、医療機器、資材および食糧などの必須物資の購入に充てられる予定です。


    • 関連リンク
      COVID-19 actions & contributions

    サノフィ株式会社
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    ワクチン開発
    サノフィのグローバルワクチン事業部であるサノフィパスツールは、過去のSARSワクチンの開発事例を活かして、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防ワクチンの迅速な開発に向けて取組を進めています。

    サノフィパスツールとGSKが開発中のワクチン候補は、サノフィが季節性インフルエンザワクチンに用いている遺伝子組換えタンパク質をベースとする技術と、GSKのアジュバント技術を活用しています。サノフィパスツールとGSKは、5月27日に両社が開発中のアジュバント添加新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防ワクチン候補の、第III相国際臨床試験を開始したことを発表しました。また、サノフィは7月、同ワクチン候補の安全性、有効性、そして免疫原性を評価する第III相国際臨床試験を、日本においても開始したことを発表しました。開発計画が良好に進めば、グローバルにおいては2021年第4四半期の実用化を目指しています。

    アジュバント添加COVID-19予防ワクチン候補の開発は、米国保健社会福祉省の事前準備対応次官補局(Assistant Secretary for Preparedness and Response: ASPR)内の米国生物医学先端研究開発局(Biomedical Advanced Research and Development Authority:BARDA)より資金提供を受け、同局との連携で進めています。

    また、サノフィパスツールはTranslate Bio社と提携し、サノフィパスツールのワクチンに対する深い知見とTranslate Bio社のmRNAワクチンプラットフォームを活用し、COVID-19に対する新規mRNAワクチン開発を行っており、3月12日に第 I/II 相臨床試験を開始したことを発表しました。2021 年第3 四半期に中間結果が得られる見込みです。

    関連リンク
    Sanofi and GSK initiate new Phase 2 study of their adjuvanted recombinant protein-based COVID-19 vaccine candidate

    Sanofi and Translate Bio initiate Phase 1/2 clinical trial of mRNA COVID-19 vaccine candidate

    サノフィとGSK、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する ワクチン候補の有効性を評価する第III相国際臨床試験の開始を発表

    サノフィ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する ワクチン候補の有効性を評価する第 III 相臨床試験を日本においても開始

    ユーシービージャパン株式会社
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    治療薬開発
    COVID R&D Allianceのメンバーである、UCBはCOMMUNITY(COVID-19 Multiple Agents and Modulators Unified Industry Members) 試験に患者の登録準備を開始しています。COMMUNITY試験は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者を対象とした複数の治療薬候補の検討が可能な、無作為化二重盲検プラセボ対照アダプティブ・プラットフォーム試験です。

    コントロール不良の血管および免疫炎症反応は、COVID-19の重症患者にみられる顕著な症状であることが確認されています。このような患者さんでは、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)や脳卒中、死亡のリスクが高まるおそれがあります。UCBはCOMMUNITY試験で、ARDSの原因となる免疫系の過剰活性化を抑制する可能性がある臨床段階の治療候補薬zilucoplanを検討します。なお、ZilcoplanはCOVID-19やその関連症状の治療薬としてFDAやEMAをはじめとする保健当局から承認されているものではありません。

    「ユーシービーコミュニティヘルスファンド」の第 1 回募集は44 件の支援プロジェクトと 6 件の研究プロジェクトの合計 50 件の プロジェクトを選出し、計 2,440,000 ユーロを授与することを決定しました。研究プロジェクト向けの助成金は、ベルギー(4件)と英国(2件)の若者の健康と福祉に対する COVID19 の影響を研究する病院や大学に提供されます。
    第 2 回募集を 2021年5 月 15 日から 7 月 15 日の期間で実施し、今回のテーマは 15~24 歳の弱い立場の若者のメンタルヘルスのサポートで、総額約200 万ユーロの資金提供を想定しています。

    ワクチン開発
    米国では、Seattle Structural Genomics Center for Infectious Disease(SSGCID)との協働を通じて、SARS-CoV-2タンパク質の結晶構造の同定に力を入れています。また、英国ではDiamond Light Sourceとオックスフォード大学と提携し、COVID-19の治療薬としてSARS-CoV-2のメインプロテアーゼ阻害剤の開発に取り組んでおり、オックスフォード大学とワクチンの開発に取り組んでいます。
    同時に、COVID-19に感染した患者さんに私たちの治療薬が効果的に使用できないかを判定するため、政府機関や医療コミュニティと協働しています。

    関連リンク
    「ユーシービーコミュニティヘルスファンド」がCOVID-19 支援・研究関連プロジェクトに初の資金提供を実施 ~日本では“一般財団法人あしなが育英会”を選出~

    「ユーシービーコミュニティヘルスファンド」がCOVID-19 支援プロジェクトに第 2 回資金提供の募集開始 ~テーマは 15~24 歳の弱い立場の若者のメンタルヘルス~

    サノフィ株式会社&グラクソ・スミスクライン株式会社
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    ワクチン開発
    サノフィのグローバルワクチン事業部であるサノフィパスツールとGSKが開発中の、アジュバント添加COVID-19予防ワクチン候補は、サノフィが季節性インフルエンザワクチンに用いている遺伝子組換えタンパク質をベースとする技術と、GSKのアジュバント技術を活用しています。

    サノフィとGSK社は、2021年5月に日本を含むグローバルな第3相臨床有効性試験を開始しました。これと並行して、18歳以上の成人を対象に、COVID-19に対する1次シリーズおよびブースター用量として、候補ワクチンの異なる製剤を評価するために、第2相試験を変更したコホートが2021年7月末に開始されました。第3相試験で良好な結果が得られれば、規制当局の審査を経て、グローバルにおいて、2021年第4四半期の実用化が見込まれています。

    関連リンク
    サノフィとGSK、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する ワクチン候補の有効性を評価する 第III相国際臨床試験の開始を発表