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4つの「あるべき未来の姿」

EFPIA Japanが描く4つの「あるべき未来の姿」


新薬の開発には長い年月と多額の投資が伴いますの図


  • 国民の健康意識の向上:

    「国民の健康意識の向上により疾病の予防、早期発見、早期治療が進み、健康寿命が延伸すること」
  • あらゆる国民が共生できる社会:

    「病気や障害があってもそれぞれの人が自分らしく生活でき、あらゆる国民が共生できる社会となること」
  • 安全で有効な医薬品が国内で利用できる社会:

    「世界中で開発された安全で有効な医薬品が、他国から遅れることなく国内で利用できること」
  • 全国民が平等に最新の医療を受けることができる社会:

    「全国民が平等に最新の医療を受けることができ、健康な生活を送ることができること」

「あるべき未来の姿」を実現するための5つの基本戦略


4つの「あるべき未来の姿」を実現するため、5つの基本戦略をもとに、日本の医薬品産業の持続的強化と市場の魅力度向上を目指します。また、基本戦略の実現に向け、レジリエンスの高い組織づくりを行うとともに、日欧の絆の強化に取り組み、EFPIA Japanとして特色ある社会貢献を行います。

  • 中野貴司教授

    1. 健康リテラシーの向上への貢献


    医療の質を考える上で、医療を受ける側の健康、医療に対する関心やリテラシーは極めて重要な要素であるため、EFPIA Japanは政府及び医療コミュニティーと協力し、健康リテラシーの向上に積極的に取り組んでいきます。
  • 中野貴司教授

    2. 国民皆保険の持続可能性と医薬品分野におけるイノベーションの推進の両立


    現在の日本の制度の長所である、新薬が薬事承認後に速やかに薬価収載、保険償還される仕組みを堅持しつつ、財政面と市場の魅力を両立するための持続可能な仕組みが構築される必要があります。そのため、EFPIA Japanでは、企業が海外での上市や価格収載を待たずに日本で先行上市するインセンティブを提供することや、柔軟性のある評価の仕組みとしていくことなどについてステークホルダーとの議論を深めていきます。
  • 中野貴司教授

    3. 費用対効果評価の制度設計


    費用対効果によって評価を行う医療技術評価(HTA)を薬価収載後の調整プロセスとして活用することについては、科学的にも制度運用的にもいくつかの課題に直面しています。EFPIA Japanは、日本において現在実施されている費用対効果分析だけでは不十分な医薬品の価値の評価のため、医師や患者等が参画するアプレイザル(評価)の実施が必要であると考えています。日本に先駆けて欧州が直面した課題への解決方法をどのように制度的に反映していくべきか、多様化する医薬品の評価をどのように考慮していくかを含めた制度的な検討に積極的に参画し、これを実現していきます。
  • 中野貴司教授

    4. 研究開発・薬事規制環境の改善


    日本が革新的な医薬品及びワクチンの開発において、国際的にも魅力的で競争力の高い国であり続け、その結果として日本の国民が最新のイノベーションの成果を継続的に享受し続けることができる環境を実現すべく、定期的な治験環境調査を実施し、臨床研究中核病院のネットワーク化への働きかけ、リスクベースド・アプローチ、分散化治験の推進などの取り組みを継続的に行っていきます。
  • 中野貴司教授

    5. デジタル技術の活用と人材育成


    限られた医療資源を効果的に配分するためには、医療の非効率を見直す必要があります。これにあたってデジタル技術が果たすことができる役割は大きく、デジタル技術を用いた医療の効率化、医療資源の適正配分及び医療アウトカムの向上のためには、データ基盤の整備や地域医療への組み込み等を含め、その活用の枠組みの形成を政府が主導していく必要があります。その一方で、日本の医療制度全体を見渡すマクロな観点を持ちつつ、実臨床の場においても患者を中心にしたミクロの観点も併せ持ち、かつ世界で加速する新たなテクノロジーシーズの活用を見据えられる人材こそが製薬業界と社会の間の良い懸け橋になることができることから、欧州等での経験を踏まえ、かかる人材をEFPIA Japan内で育成します。